ベルギーのまとまらない話(9)「個人主義と孤独④ ~会わずにはいられない?~」
ベルまと(8)「個人主義と孤独③」のつづきです。
2度目のクラスターから、一週間がたちました。
前回は陰性だった患者さんと職員全員に、一昨日と昨日にかけて2度目のテストが行われ、
新たに3人の患者さん(合計8人)と2人の職員に感染が確認されました。😣
今回私は2度のテストとも陰性でした。💦
職員の感染が前回のクラスターよりグッと少ないのは、使用しているマスクが普通の医療用マスクからffp2マスクに切り替えられたから、😷
また、ちょうどワクチン接種一回目が前後して行われたので、その影響もあるのでは、と思われています。
先週のテストでは職員全員が陰性だったため、今回のクラスターも職員が感染源ではないことは、既に明らかでした。
また今回は、イギリスと南アフリカ変異種、普通種、三種類の感染が見られており、看護師長や同僚たちの多くは、患者さん達が感染源だと考えています。
なので、入院直前だけでなく、潜伏期間が過ぎたころにもう一度テストをするべきだ、と言い合っています。
それも本当にその通りです。が、
これも大いにあり得るはずであろう「面会者感染源説」は、彼らの間からは決して出てこない。絶対にと言っていいほど話題にされないままです。
昨日の私は、もう持論をまくしたてようとは思わず、
不可解な彼らに対する見方を、変え始めていました。
一概にこちらの人たちは、親しい人たちと会えないことを、日本人以上に辛いと思うようだということは以前から感じていたんです。
例えばこちらで「私の母は日本に住んでいる」と言うと、
「 よくそんなことできるね!」なんて言う人も結構いて、はじめは「親不孝者と言いたいんか?」と身構えてしまいましたが、
「お母さんに極たまにしか会えないんでしょ? 私なら絶対耐えられない! !」。
日本では「亭主元気で留守がいい」なんて言うけれど、こちらでは仕事が忙しくあまり家にいないと言うことは、離婚原因になりがちです。
出張とかわずかの期間でも留守にするというと、「寂しい寂しい!」。
一人息子が結婚して外国(ヨーロッパ圏内)に引っ越すことになったら、母親は鬱気味になり仕事を一か月欠勤。同僚たちは「分かる分かる」と。(うちの職場であった例です)
普通でもそんな感じなので、ましてや病気で入院中ともなると、家族や親しい人と会えないというのは「地獄の苦しみ」、病気以上に辛いものなのかもしれません。
それがもし、多くのベルギー人に見られる国民性だとすれば、
「どんな場合でも、できるだけ面会させてあげたい」という共通認識、暗黙の了解が、
「うーん」の背景として、色濃くあるのかなー、と。
そして、まるでそのことを実証するかのように、
コロナ感染してしまったうちの患者さんの1人は、感染したことよりも家族がお見舞いに来られないことに落胆して、ここ数日食事も取らなくなってしまいました。😞
うーん・・・。
つづく
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