プロローグ
2020年秋。コロナ第二派が猛威を振るう欧州。 中でも感染拡大が最悪となった、「ヨーロッパの心臓」欧州の真ん中に位置する小国ベルギー。周辺国はすでにロックダウンに踏み切る中、一足遅れてロックダウン決定が下されたのが10月30日のことでした。 みなさん始めまして! まっちーこです! ベルギー・フランダース地方のアントワープに住んで20年になります。地元の大病院老人科で看護助手として、17年勤務しています。 日本では一度も正社員として勤めることが出来なかった、というか初めから自分には向いていないと思い、演劇、音楽、障碍者自立支援など好きなことをしながらフリーター→契約社員→自由業で何とかやってきました。 そんな自分が海外移住後に正規職員で17年もやれているのは、全く驚くべき快挙! ベルギーの、色んな意味での「緩さ」のお蔭です。 ベルギーのかなり徹底した「個人尊重」、全体のために個を犠牲にしないメンタリティーも、一従業員としての働きやすさに大いに影響しているように思います。社会の少数派を尊重する気質も多くのベルギー人に見られ、人種差別を受けたこともほとんどありません。 (もちろんレイシストはどこにでもおり、私はラッキーだったということもありますね。) コテコテのアントワープ弁をしゃべるヘンな日本人として、地元に溶け込み、日々楽しく働いています! その勤務先では今、コロナ患者急増と共に同僚やドクターにも感染者が続出、状況は悪化の一途。東京では一日の感染者が200人超えた!と騒いでいる中、こちらは東京より少ない総人口で一日の感染者2万人を達成!! 人口比を考えたら一日の感染者10万人のアメリカより5~6倍ひどい! 周辺国のメディアは「ベルギー、栄誉なきコロナ首位!」、隣国ドイツは「理解に苦しむ、ベルギーの惨状!」。・・・。 この小国は、なぜ第二派コロナ大国になってしまったんでしょう。長所でもある「緩さ」と「個人尊重」が、今回は思い切り仇になってしまったようです。 他者を批判することは有害無益、と重々承知しつつも、対応の悪い政府、意識の低い人々に、怒りの矛先を向けずにはいられませんでした。ロックダウンが決定した30日は金曜日、週末オフを挟んだ月曜からの仕事をこれほど憂鬱に感じたことは、これまでになかったような。