ベルギーのまとまらない話(3)「フスティング!」
久々の、ベルまと話です。
フスティング (GOESTING)という、ベルギー北部フランデレン(フランダース)地方独特の言葉がありまして。これがですね、スゴイんです。💦
小さなベルギーがまとまらない、大きな理由の一つが、これではないか、と。😅
まずその語感ですが、フスティング の「フ」は、日本語の「ふ」と違い、「グ」に近いような、喉の奥から出す音で、同時に唇も思い切り突き出します。
フ(グ)スティング! 大変強い語気です。
そしてこの言葉は、英語にも日本語にも、ドンピシャの訳語がありません。
オランダのオランダ語には「ジン(ZIN)」と言うほぼ同じ意味の言葉がありますが、「フスティング」ほどの強さと威圧感はありません。
これをしいて日本語にすると、「個人的意向」。はい、これがこちらではとにかく大切なようで、この言葉を聞かない日はない、と言っていいほどで、あっ、今も夫が言いました!😆
夫が今言ったのは、「Ik heb goesting in chips! (私はポテチにフスティングがある!)」。これは「ポテチが食べたい!」と言う意味ですが、ニュアンスとしては「食べないわけにはいかない!」。
「私はフスフィングする!」これも良く聞きます。意味は「私はやりたいようにやる!」。「フスティングすれば?」、これは「やりたいようにやれば?」。 日本では、そう頻繁に聞かれる言葉ではないですね?
歴史的に何度も周辺国の支配を受け、その度に彼らを追い返してきたベルガエの人々。「地域全体」というものが常に変化してきたからでしょうか、帰属意識を持てない「全体」より「個」を大事にするメンタリティーが、一般的に個人主義である他の西洋諸国以上に、強く培われていったようですね。
やりたいようにやる、生きたいように生きる。周りに迷惑をかけない範囲で自分のフスティングを貫き、他人のフスティングも尊重する。これがこちらの人の理想のようですが、実際はなかなか難しく、
ベルまと話(1)でもお話ししましたように、離婚率は世界一!🎉
ベルまと(1)⤵
https://yorochumacchi-ko.blogspot.com/2020/11/blog-post_8.html
政治もまとまらず、2010年から11年にかけて、無政府状態が540日間続くという、前代未聞ダントツ世界記録を達成しました。🎊
なのでこのフスティング気質、日本人は学んだほうが良いな、と思うところもある反面、日本人から学んだらどうよ?と思うところも結構あります。
特にこのコロナ状況下では、ちょっと押さえていただきたい気質でしょうか、ね。💦
ブリュッセルやワロン地域のフランス語圏では、このフスティングに相当する言葉があるのでしょうか? ご存知の方いらしたら、是非教えてくださいね。m(__)m
で、夫はと言えば、一度閉じたポテチ袋をまた開けて食べ続け、私の分取っといてー、と言ったのに、なにい? 全部食べちゃった?! おいっ!!😠
写真は、アントワープ人の誇り、大聖堂!
初めてこの大聖堂を見たとき、「どうして二つの塔の高さが違うの? 何か意味があるの?」と夫に聞いたら、「お金とフスティングがなくなって、右側はテキトーに屋根付けちゃったんだよ」、ですと!!! ほんとですかね、それ?!
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