音楽と私(6)「小学校【世界の音楽】鑑賞教室で②」
さあ、そんな楽しいキューバなのですが、
実はこの国には、とても悲しい歴史があったのです。
https://www.youtube.com/watch?v=zNrsQGnHoZY (シボネイ🎵)
↑いま聴いていただいているのは「シボネイ」という曲です。シボネイとは、キューバの原住民、もともと住んでいた人たちのことです。今はもう、このシボネイの人たちは一人もいません。みんな殺されたり病気になったりして、死んでしまいました。
なぜそんなことが起こったのでしょう。
皆さんは、コロンブスと言う人をご存じですね? アメリカ大陸を「発見」した人です。冒険家コロンブスが船の旅に出たのは今から500年も前のことでした。
彼は船に乗ってどこに行きたかったのか、知ってますか? 日本や中国に行きたかったんです。コロンブスは、マルコ・ポーロと言う人が書いた「東方見聞録」という本を読んで、中国や日本にとても興味を持っていました。その頃は電車も自動車も飛行機もなかったので、みんな遠いよその国には、行ってみたくても今のようには行けなかったんです。マルコ・ポーロは、イタリアから何年もかけて遠い中国まで、なんと歩いて行って帰って来ました! そしてコロンブスは、「船で行ってみよう」と思ったんですね。
さあ、いよいよスペインの港から船の旅に出たコロンブス。途中で嵐に見舞われたりしながらも、ようやく「ここは日本では?」と思われる島にたどり着きました!
「日本だ、日本に違いない!!!」
コロンブスはそう信じたのですが、実はそこは、キューバだったんです。
船から降りてその島を散策したコロンブスも、だんだん「あれ?」と思い始めました。
「おかしいなあ、マルコ・ポーロの本には、日本は”黄金の国ジパング”、『人々は金でできた家に住み、美しい着物を着ている』と書いてあったが、そんな家もそんな人もいないなあ」
ここは日本ではないようだ、と思ったコロンブスは、再び船に乗りキューバを離れもう少し先に行ってみて、とうとうアメリカ大陸にたどり着くのです。
後で色々調べてみて、ヨーロッパから海を渡って日本や中国に行く途中には、別の大陸がある、ということが始めて分かったんですね。それで「コロンブスがアメリカ大陸を発見した」と言われているんですが、
発見と言っても、それはヨーロッパや他の地域の人たちがそれまで知らなかったというだけで、その大陸や周辺の島々には既に沢山の人たちが住んでいたんです。
ところが、ヨーロッパの当時の権力者たちは、そんなところがあったんだと分かったとたん大挙して押しかけていき、勝手なことを始めてしまいました。
キューバには、先ほど言いましたシボネイという民族が平和に暮らしていましたが、そこへスペイン人が沢山やってきました。初めはシボネイ人と仲良くしようとしたかもしれません。が、自分たちの思い通りにしようとして抵抗され、結果的に殺し始めてしまいました。それまで平和に暮らしていたシボネイ人は武器など持っておらず、たちまち絶滅してしまったのです。
キューバを我が物にしたスペイン人たちは、自分たちのために働かせる奴隷がほしかったのでアフリカに行きました。シボネイ人同様平和に暮らして来たアフリカ人たちを武器で脅し、無理やり船に乗せました。
船にギュウギュウに押し込まれたアフリカ人たち。途中で病気になって死んでしまった人たちは、海に捨てられました。船の上のアフリカ人たちは不安と恐怖の中、肌身離さず持ってきた太鼓を叩いたり、その辺の箱を叩いたりして歌を歌い、みんなで励まし合ったと言います。
そうして彼らは、キューバへと連れていかれました。
つづく
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