ふしぎ体験(10)「スマトラ島にて②」
ふしぎ体験(9)「スマトラ島にて①」のつづきです。
ところが遂に大失敗! 私のいいかげんな「予言」がもとで、一人の子供が、なんと死に至ってしまう!
・・・しかし、どういうわけだろう?! そんな事態にもかかわらず、人々は私にとってあまりにも都合のいい解釈をし、私を信頼し続けるのだ!!
どうしたらいい? 先に進めなくなってしまった。正直に話す? これまでついた嘘をすべて? 自分の罪は自分で被ろう、でも人々の怒りは、私の家族にまで及びはしないか?
食事も喉を通らず、誰にもこの葛藤を打ち明けられず、ますます痩せ細っていく。
「病気かい? 早く良くなっておくれ」「あの薬草が良いよ。私が取って来て上げる」みんなが心配し、励ましてくれる。つらい。非難され憎まれたほうがどんなに楽か。
恋人とはすでに別れている。こんな嘘と邪心にまみれた心の暗闇に、透明な光に満ちた彼を引きこみたくなかった。理由も分からず突き放された彼の悲しい顔が、いつまでも脳裏に焼き付いている。
そして私が選んだ道は、誰にも何も話さず、閉ざした心を罪悪感と自己非難で埋め尽くし、 身体は栄養失調と衰弱に任せて、じわじわと死んでいくことだった。
なかなか簡単に死に至るものではなく、沈痛な年月が流れる。
ある日、フラフラの身体を押して、吸い寄せられるように山に登る。
やっとの思いで頂上にたどり着き、向かいの山の見事な滝が見渡せる、大好きな風景をもう一度目の当たりにしたとき、
天から? 大地から? 心の奥底から? 大きな声が聞こえ、圧倒される。
その声が放った言葉は、「自然を敬え」。
そのまま二度と村に戻らず、山で孤独の死を迎える。
午後の太陽の黄色い光に、やっと吸い込んでもらえるような気がした。
以上が、 CDの誘導による私の過去生体験でした。
体験中、指や手足が勝手に、特に手の指が盛んに動きました。
「なんでこんなに指が動くんだ?」とか、「誰かがドアのブザーを鳴らすと困るな」とか、意識は現実の世界にもあり、眠りの状態ではありませんでした。
スマトラ島に関しては、今まで特に関心を持ったこともなかったので、驚きました。これは本当に過去生の記憶なのか、単なる空想の産物なのか?
自分としてはその問いはあまり重要ではなく、ただこの話が自分の深い内面の性質を怖いほど的確に言い当てており、今後の人生の課題に関して示唆するものが多く、そこに目を見張ってしまいました。
「自然を敬え」
この言葉の本当の意味が、もうひとつわかりませんでした。
私はスマトラ島で自然と一体となって生きてきたはずなのに? 決して傲慢になるな、ということ? 体裁を保つための愚かな嘘は、傲慢さから来たものだから?
そんな風に解釈しました。
そして、この「過去生体験」は、それ以上深追いすることもなく、そのままになっていました。
つづく
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