ドタバタ遠距離介護(16)「滞在をお楽しみください」
ドタ遠(15)「ベルギーへ」のつづきです。
ベルギーのコロナ第一波は、2020年2月末のスキーバケーション・シーズン後に起こりました。
イタリアなどで感染爆発が既に騒がれていましたので、ベルギーでも空港など国境でチェックが行われるだろうと思ったら、何と、ただの「野放し状態」でした。フランスなど周辺国も同様だったようです。
人々は何のチェックも受けず、通常通り帰って来て、 家族に会い、友達に会い、おじいちゃんおばあちゃんにも会い、こちら式挨拶の頬にキス三回をやり、握手して、ハグをして、仕事や学校に戻り、
コロナ第一波の、大爆発が起こったのでした。結果、ヨーロッパ中が相次いでロックダウンへ。
規制の甲斐あってベルギーでは6月ごろ状況改善が見られ、生活が少し通常に戻りました。が、ホッとしたのも束の間、8月初めには我が街アントワープで再び感染拡大が始まり、その後あちこちで増え始め、夏休み後の大爆発を懸念して、ベルギーでは空港や国境で「旅行者質問書」記入が義務化されました。
私も、そういう訳で、日本を発つときにオンラインで質問書に記入しました。機内でも、 オンライン記入が間に合わなかった人のために、書類を配っていました。羽田でも、乗り継ぎをしたフランクフルトでも、「ベルギーに行く人は質問書記入を忘れないよう」再三注意を受けました。
ところが、
到着したベルギーの空港内では、その書類を提出する場所もなく、オンライン記入したのか聞かれることもなく、更に、質問書記入後は、PCR検査を受けるべきかどうかの指示があるはずなのに、それもない!、まま!、だったのです!!!
唯一私が受け取ったのは、「ご記入ありがとうございました。ベルギーでの滞在をお楽しみください」というメール回答のみ。「もしや、どこかに仕掛けが?」と、穴が開くほど読み返しましたが、やはりそれだけ。
幸い、ベルギーの日本大使館から「日本人は入国制限なし、検査の必要も無し」という情報を得ていたので、それで良しとしましたが、
なんという、ことだ、ベルギー??!!
「旅行者質問書」がちゃんと機能していないらしい、ということは小耳にはさんではいましたが、これでは「野放し状態」だった第一波直前と、ほとんど変わりないじゃありませんか!
すでに到来していた第二派は、その後当然のごとく勢いを増し、勤め先の病院は再び大混乱カオス状態、 コロナ患者さんは増え続け、他の科の同僚たちやドクターに感染者が続々と出始め、
あっという間に小国ベルギーは、感染者1日2万人という仰天記録を達成! 二度目のロックダウンするのかしないのか、と、喧々諤々しながら、10月も終わりに近づき、冴えないハロウィンを迎えつつあったのでした。
つづく
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