ドタバタ遠距離介護(13)「何故かうまく行く!②」
ドタ遠 (12)「何故かうまく行く!①」のつづきです。
「それだけではなかった」
他に、では何があったのでしょう?
それは、「ドタ遠」時の私自身の意識、心の在り方、が、通常とは違っていた、ということでした。
まず、通常に、フツーに、考えてみましょう。
高齢の母は認知症で一人暮らし。一人娘の私は海外在住。
どんなことが起こるでしょう。良い想像は難しい反面、悪い想像は、いくらでも思いつきます。想像は妄想となり膨張し暴走し、たちまち自分自身がそこに巻き込まれ、嵐にもまれる小舟のごとし、となります。
5,6年前のことでした。
日本で母とテレビを見ていた時に、「家族5人と住んでいた認知症の男性が、 夜こっそり外に出てしまい(家族は誰も気が付かなかった)そのまま行方不明」といった実話が紹介されていました。
母は他人事のように、「認知症、コワイねー」
私はと言えば、「うわー💦 そうか、一緒に住んでたって、こういうことはあるんだ!」
勤め先の老人科でも、患者さんが病院を抜け出してしまうことが、稀にあります。そのまま見つからなかったことは幸いありませんが、「一体どうやって!!??」ということが起こったりするんです。絶対に安全な場所は、どこにもありません、ということです。
とにかく私としては、母の事は、
「必ずうまく行く!!」
と決めて、信じる、しかありませんでした。
「お母さんをベルギーに呼びよせればいいのに」、という人も結構いらしたので、ここでちょっと付け加えておきますと、まず本人が、「旅行で行くのは良いけど、住みたかないね」。
日本語で話せるのも私だけ、私と一緒でなければ本人どこにも行けず何もできず、一気に衰える可能性大。「老木は植え替えるな」と言うコトワザも、こちらにはありまして。
いずれにせよ、ゴチャゴチャ考えるのはストレスになるだけ。こうすればOK!という、確実な有効策も安全策もないし、あとは、何しろ母の人生ですから「本人の意向」を第一に、その時その時に対処するのみ、でした。
「必ずうまく行く!!」と決めて、信じる。
その根拠の皆無さにもかかわらず、 これはしかし、凄い力を発揮しましたよ!
母宅の電話機を皮切りに家電が次々に壊れたり、母の親しかったご近所お二方が相次いで引っ越すことになったり(能天気な母もこれには大ショック!)、母が悪徳電話商法に引っかかってしまったり、
色んなことがありましたが、何とそれらはすべて、私のここ数年の「ドタ遠」帰国直前→最中に起きてくれまして、タイミングが完璧だったお蔭で、私がしっかりフォロー&解決することが出来ました。
決めて、信じる。たったそれだけの、シンプルな心の在り方。
私の意識が「母」に向くと、いつしかその心の在り方に、自動的にスイッチが入るようになっていたのです。
つづく
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